ケンタロウ本初期2冊の3つのポイント

ケンタロウさんの実質デビュー作「ケンタロウのはじめてつくる おとこの料理」(朝日新聞社)と、実質2作目の「ごくらくの食卓」(主婦と生活社)は、数あるケンタロウ本の中でも飛び抜けた存在感です。

(「実質」としたのは、1作目「ウハウハコンビニ」はカツ代さんとの共著だからです)

 

「ケンタロウのはじめてつくる おとこの料理」を図書館から検索。

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「ごくらくの食卓―音楽を聞くように料理する本」を図書館から検索。

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どちらもガチガチの「ザ・料理本」ではありません。
料理のことも書かれたエッセイとして読めます。
「僕がケンタロウです」と自己紹介的な本ですが、2冊ともエネルギーの塊です。
かなり濃いです。
ページをめくる度にケンタロウさんの「僕はこう思うんだ」がグイグイ伝わってきます。

この2冊のポイントは、3つです。

①写真がない

2冊とも、本文には写真がありません。
あるのは、「ケンタロウのはじめて〜」のカバーと著者紹介の2点、
「ごくらく〜」のカバーの1点です。
しかも、どれも白黒です。

今や料理本といえば、カラーが当たり前の時代です。
写真が満載の明るい本の後に、この2冊を手に取ると一気に地味に感じます。
写真がないのは予算の関係だったかもしれませんが、それが結果的によかったです。
ケンタロウさんのイラストと文章がたっぷりだからです。
「写真なんかいらない。なくても通用するんだ。通用させてみせる」という気迫すら感じるのです。
「ごくらく〜」のイラストは、ファッション誌のコーディネート集かと思うくらいですが、これもケンタロウさんの味です。

②文章力

私は、ケンタロウさんの文章が大好きです。
緩急織り交ぜた伝え方が気持ちいいのです。

写真がなくてもよかったのは、ケンタロウさんの文章が引き立つからです。
写真があると、どうしても写真に目がいってしまいます。
その分、文章の訴求力は弱くなります。
伝えたいことも、100%は伝わりません。
想像力が働かないからです。
カラーページもなく、イラストも白黒ですが、想像力でいくらでもカラフルに色付けできるのです。

③古さを感じない

2冊とも、20年以上前の本です。
20年と聞くと、かなり昔のように感じます。
この2冊は、まったく古さを感じません。
昨日出た新刊と言われても、違和感はありません。
古さを感じないのは、ケンタロウさんがブレてない証拠です。
いろんなケンタロウ本を読めるのは、ブレない安心感があるからです。
20年前の本なのに出来立ての本として読めるのは、それだけでもブランドだということです。
ケンタロウというブランドなのです。

トリンコさんも絶賛

トリンコことTRUCKの黄瀬さんも、「ごくらく〜」を絶賛しています。
 

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ケンタロウの1996年の本 “ごくらくの食卓 音楽を聞くように料理する本”
これをひりんこが持っていたのがきっかけでケンタロウを知った。
その後、98年に代官山で偶然見かけて思わず声をかけた。
そしたら驚いたことにケンタロウもTRUCKのカタログを本屋で買って持ってると言ってくれた。
最近、ふと思い出して読み始めたらやっぱり最高に気分がいい本。
20年以上も前とは思えないカッコよさ。
写真はなくケンタロウのイラストとカンタンな文章。
読んでるだけで、スーパーに買い物に行って、ついでに花屋によってガーベラを3本買って帰り、レコードでBob Marley でも掛けてビール飲みながらささっと料理したい!って思えてくる。
やっぱりケンタロウはすごい。

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「TRUCK nest」(集英社)でも紹介されています。
 


 

プロフィール

ケンタロウさんのプロフィールといえば、「簡単でおいしく、洒落っ気があって現実的なもの」がおなじみですが、この2冊はまったく違います。

「ケンタロウのはじめて〜」は、

自分の食べたいものを早朝、深夜を問わず追求

です。
ケンタロウさんは朝が苦手なので、「早朝」はちょっと盛ってますね。

「ごくらく〜」は、

食べたいものを食べたいときにおいしく食べるをモットーに、ジャンルを超えてハゲシクレシピを研究中

です。
思わず「ハゲシク」を想像してしまいました。