【ケンタロウさん】レシピは深読みすると、おいしくて、幸せになれる。

ケンタロウさんのレシピの書き方は、とてもわかりやすいです。

「これ、どういうことだろう」と読み返すことは、まずありません。
作り方を読んでわかりやすいのは、わかりやすいように書いてくれているからです。
当たり前のことですが、とても大事なポイントです。

よおくよおく

たとえば、納豆麺の作り方です。
一般的なレシピで見かける「よく混ぜる」も、ケンタロウさんは「よおくよおく混ぜて」と書きます。
「よく」も「よおく」も、どちらも意味としては同じです。
でも、「よおくよおく」と言われた方が「ちゃんと混ぜろよ」というのがストレートに伝わってきます。
温度を感じる書き方なのです。

小林家伝統の納豆麺 2001春バージョン

小林家伝統の納豆麺 2001春バージョン

材料(たっぷり満腹1人分。通常の2人分)

よーく/ガンガン/イカす

ステーキ丼の作り方も面白いです。

よーく熱する

ガンガンの強火

イカす色

ちょこっとかける

こしょうをガリガリ 一味パラパラ

まるで絵本を読んでる感じです。
まだ作ってもいないのに、作り方を読んだだけで、すでにおいしいのがわかるくらいです。
真面目なレシピ本では、こんな書き方はしません。
ケンタロウさんはふざけてるのではありません。
料理が苦手な友達に話すようにわかりやすく書いたら、そうなっただけです。

ステーキ丼

ステーキ丼

材料(2人分)

静かにほぐす

Twitter で面白い書き込みを見つけました。


 
9歳の娘さんが焼きそばを作ってくれた話ですが、幸せに満ちた光景が目に浮かびます。

ポイントは、3つです。

①なぜか黙ってまま作っている
②話しかけても「シーッ」と言われる
③袋を見ながら忠実に作っていた

起承転結が素晴らしくて、たったこれだけで短編ドラマが作れます。

確かに、マルちゃん焼そばのレシピページには、「麺を静かにほぐしながら」とあります。
 

しゃきしゃきソース焼そば | オリジナルレシピ | 東洋水産株式会社

マルちゃん商品を使ったオリジナルレシピなど、知って楽しいお役立ちコンテンツがもりだくさん。


 
大人なら「ゆっくりとほぐす」という意味だとわかりますが、彼女は文字通り「静かに」作っていたのです。
おそらく彼女は、全体的に静かにした方が、きっとおいしくなるに違いないと深読みしたのです。
どうせならおいしく作りたいです。
彼女は間違ったことはしていません。
むしろ、忠実すぎるくらいにきっちり作っています。

たいていのレシピは、おいしく作れるように書かれてあります。
間違った読み方さえしなければ、自由に解釈していいのです。
それも料理の楽しさです。
ちょっと深読みするだけで、こんなに幸せな空気を作り出せるのですから、だから料理は面白いのです。

かなりの数がリツイートされてるので、もしかしたら東洋水産の担当者も見ているかもしれません。
きっと「その発想はなかった」と驚くでしょう。
いいCMができそうな予感です。

今できること深読みを、楽しもう。