レシピ本は、レシピが載っているだけではない。/「料理書のデザイン」

昨日、鈴木めぐみさんの「料理書のデザイン」(誠文堂新光社)を紹介しました。

「料理書のデザイン」で、ケンタロウ本を発見

この本は、レシピ本がどのように作られているかをデザイナー目線で分析してくれています。

レシピ本は、料理をおいしく作るための本ですが、レシピさえ載っていればそれでいいかといえば、もちろんそんなことはありません。
いかにわかりやすく、見やすく、おいしく料理を作ってもらえるかということに、全神経を注いでデザインされています。

以前、いろんなケンタロウ本の比較をしてみました。
たとえば、出版社によってカラーがまったく違ったり、写真やエッセイのあるなしで受ける印象がガラリと変わることがわかったのです。

「ケンタロウ本のケンタロウ度を測ってみた」でわかった3つのこと

思いは、見えない文字で書かれている

「料理書のデザイン」では、読者が気づきにくいような細かい部分まで解説してくれています。

たとえば、
・ページ構成はどうするのか、
・写真の大きさやカット数とその配置、
・イラストは必要か、
・見出しやエッセイのフォントと文字組み
などです。

その本がどういう思いでデザインされているのかを知っているのと知らないのとでは、読み方はまったく違ってきます。
読み方が変われば、感じ方も変わります。
ただレシピがわかればいいのであれば、ネットで十分です。
紙の手触り、インクの匂い、ページをめくる音など、ネットではわからない五感を感じることができるのも、本の良さです。

レシピ本は、とかく今から作る料理がおいしくできさえすればいいと思いがちですが、その本には、食材の種類や作り方の他に、必ず作り手の思いが書かれています。
ただし、その思いは文字にはなっていないので、見えません。
でも、確実に書かれてあります。
その見えない思いを、いかに感じ取れるかです。
それが正しいレシピ本の読み方です。
レシピさえわかればいい、はもったいない読み方です。
レシピ本は、ただ料理の作り方が載っている本ではありません。
写真や文字が、思いと一緒にデザインされているのです。