【ケンタロウさん】大切な人のために、思いを込める。

ケンタロウさんの揚げ野菜のカレーを紹介しました。

 


 
この号の、「編集者の手帖」が面白いです。
いわゆる編集後記なのですが、編集長である松浦弥太郎さんが書いています。
この中で、ケンタロウさんの料理をサラッと振り返ってくれています。

「とびきりおいしいカレーを教えていただきました」とあります。
よくあるフレーズです。

そのあとに「ほんとうにおいしいカレーです」と続きます。
単なるお世辞フレーズではないのです。

実は、先日紹介した「暮しの手帖のとっておきレシピ」に、ヒントがあります。
この号の「編集者の手帖」に、「暮しの手帖」の作り方が書かれてあるのです。
暮しの手帖社の編集方針です。
飛ばし読みするつもりでしたが、あまりに感動したので、すぐにテキスト化して、Evernote に保存しました。
「そんなところまで書いていいの?」と心配になるくらい、かなり細かいことまで書いてあります。
全部オープンにしてくれるのは、自信の証拠です。

3つのポイント

暮しの手帖社の料理の特集で大事にしていることは、次の3つです。

①料理の基本
②とにかくわかりやすく
③何度も修正する

ケンタロウさんだけを見ても、奇をてらったメニューは出てきません。
作り方も、誰が見てもわかりやすいようにシンプルに書かれてあります。
料理家へのオファーも、ただ依頼して終わるのではなく、ちゃんと編集部内で作ってみて、納得いくまでやり直すのだそうです。
本来、料理家から教えてもらったレシピをわかりやすく書くのが編集部の仕事です。
料理を作る必要はありません。
読者も、それは求めていません。
読者が知りたいのは、レシピなのです。
でも、実際に料理を作ってみることで、わかることは多いです。
むしろ、作ってみて初めてわかることもたくさん出てきます。
それを一つ一つクリアしていくのが、読者目線であり、料理家への敬意です。

しなくてもいいことをしてみる

しなくてもいいことを、あえてすることで、必然的にレベルが上がります。
しなくてもいいことは、ムダなことです。
いかにムダなことができるかです。
できれば、ムダなことはしたくありません。
本当にムダになりたくないからです。
でも、ムダになるかどうかはやってみないとわかりません。
ムダになってしまったのは、そこでやめたからです。
「もうちょっとできることはないかな」と粘ることで、次のヒントが見つかるのです。
あともう一歩の粘りなのです。

こういう姿勢がわかった上で、「ほんとうにおいしいカレー」を読むと、ちゃんと作ったんだというのが伝わります。
本当においしいから、紙面に載せて、読者に伝えたいのです。

そんな暮しの手帖社に選ばれたケンタロウさんは、幸せ者です。
読者も、うれしいのです。

松浦弥太郎さん

実は、松浦さんとケンタロウさんは、つながりがあります。
松浦さんは、ケンタロウさんのファンなのです。
 

 

今できることまだできることはないか、粘ろう。