ケンタロウさんは、ぐりとぐらになりたい。

昨日、ケンタロウさんが寄稿している「ぼくらのなまえはぐりとぐら」(福音館書店)を紹介しました。

わずか2ページのエッセイですが、濃いです。
ただの読書感想文ではなく、ケンタロウさんの中で消化された風景や音、匂いまでも感いじる文章です。
ぜひ国語の教科書に載せてほしいくらいに、深さがあるのです。
あまりに気に入ったので、すぐにテキスト化して、Evernote に入れました。
暗唱できるくらいに何度も何度も読み返しています。


ぐりとぐらになりたい

落ちていた大きな卵を使って大きなカステラを作る
そんな毎日を送れたら人生ってあまりに素敵だ

ケンタロウさんがすごいのは、最初から物語の中に入り込んでいることです。
「これは絵本の話」
「こんなのありえない」
そう思ってもおかしくない内容ですが、ケンタロウさんはグイグイ引き込まれます。

なによりも食べることが好きだったちびっこケンタロウのハートをわし掴みにされた

あー、大っきな卵落ちてないかなあ

道を歩いていても、普通の卵でさえ落ちていないのに、巨大卵があるはずはありません。
でも、「ぐりとぐら」の中に生きているケンタロウさんにしてみれば、「どこかにあるかも」と思えるのです。

今でも俺はぐりとぐらになりたいと思っている

大人になると、小さい頃の憧れをすっかり忘れていることも多いですが、ケンタロウさんはちゃんと覚えています。
正しくは、大人になっても「ぐりとぐら」の中に生きているのです。

ケンタロウさんは、やっぱり、ぐりとぐら

前回「ぐりとぐら」のことを書いたのが、2018年2月27日です。
 


 
「ケンタロウさんは、ぐりとぐらだ」と書きました。
やっぱり、ケンタロウさんは、ぐりとぐらです。
紛れもなくぐりとぐらです。

料理をすること、食べることのおもしろさ、楽しさ、うれしさがすべて、あのカステラには詰まっている

ケンタロウさんは、カステラ専門の料理家ではありませんが、いろんな料理を通して私たちにおもしろさ、楽しさ、うれしさを届けてくれています。
まさにくぐりとぐらです。

おいしいものを作って、みんなで食べる
それ以上に素敵なことなんてちょっとないよね

「ぐりとぐら」の話は、カステラを作ることが目的ではありません。
作ったそのカステラを食べるのが目的でもありません。
みんなで食べて、そのおいしさや楽しさを共有することです。
作って食べるのが目的ならぐりとぐらだけで十分です。
おいしいものは、一人で食べるよりみんなで食べる方がよりおいしいなるのです。