【提言】ケンタロウ本「ふたりのハッピーメニュー」のエッセイは家庭科の教科書に載せるべき/その1

私は、ケンタロウ本のエッセイが好きです。
レシピからは見えないケンタロウさんの考えがわかって、とても面白いです。

ふたりのハッピーメニュー

「ふたりのハッピーメニュー」(講談社)にもエッセイが収録されています。
読みながら思わず「そもそも料理ってなんだろう」と考えさせられました。
学校の授業にも使えるエッセイもいくつかあります。

授業といえば、先生が生徒に一方的に教える印象があります。
「正しい料理とは」や「料理のあるべき姿」を理屈として教えるのではなく、ぜひこの本のエッセイを題材にして議論してみてほしいです。

4つのエッセイを4回に分けて考えてみます。


【その1】そもそも料理とはなにか

p90「サッとやろうよ」より

下記ページで、そのエッセイが読めます。

ケンタロウの恋するハッピーメニュー|ゴマだれうどん

コンビニで買ったレトルトのグラタンに一手間加えるようなのは好きじゃないからしない

温めるだけですぐに食べられるレトルト食品は、昔に比べたら格段に種類が増えています。
それだけ今の時代は手軽さが求められているのでしょう。
しかも技術も進化して、どんどんおいしくなっています。
そのレトルト食品にちょっと一手間加えてアレンジするのはよくある食べ方ですが、ケンタロウさんは好きではないようです。

確かにプロの料理人が「コンビニで買ったレトルト食品にちょこっとアレンジしてみました」とわざわざ言うことでもありません。
ケンタロウさんが言う「ちょこっとアレンジは好きじゃない」は、そんなのは料理じゃないという考え方かもしれません。

だとすれば、どこからが料理で、どこからが料理じゃないのでしょうか。
これは人によって意見が分かれます。
コンビニで買った食材に一手間加えるのは料理なのでしょうか。
もっと言えば、そもそも料理とはなんでしょうか。

料理とは

 

料理(りょうり)とは – コトバンク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 – 料理の用語解説


 
食材になんらかの手を加えることが料理です。
たとえば、ケチャップライスを作って、それを卵で包んでオムライスにすれば、明らかに料理をしたとわかります。
では、ツナ缶を開けて、そこに黒胡椒をパラパラと振るだけ、はどうでしょうか。
ギリギリ料理と言えなくもないですが、なんとも微妙です。

スーパーで買ってきた唐揚げにレタスを敷けば、これも料理でしょうか。
辞書的な解釈をすれば、すべての一手間が料理になります。
でも、現実的には料理とは呼びにくいものもあるはずです。
それを踏まえて、料理とは何かを考えてもらいたいです。