ケンタロウさんは、料理が得意な文学少年だ。

ケンタロウさんのエッセイを読んでいると、ドキッとすることがあります。

内容はもちろんですが、言葉の選び方が素晴らしいのです。

たとえば、「ケンタロウと秘密の料理道具箱」(集英社be文庫)の1章「包丁」に、「浅草に通暁していたわけでもない」とあります。

 

「通暁」です。
読めない人もいるかもしれません。
「つうぎょう」と読みます。
本にはルビが振ってあります。

読めなくても、落ち込む必要はありません。
漢字検定2級レベルだそうです。

漢字検定2級「対義語・類義語」問題【3】

読み方がわかると、今度は意味も知りたくなります。
「浅草に〜」の流れだと想像しやすいですが、「〜に精通している」という意味です。
「めっちゃよう知ってる」です。

通暁(ツウギョウ)とは – コトバンク

他には、「至極当然」や「深謀遠慮」「瑣末」も出てきます。

深謀遠慮(シンボウエンリョ)とは – コトバンク

瑣末/些末(サマツ)とは – コトバンク

通暁も深謀遠慮も、書き言葉です。
会話ではまず使いません。
もちろん、ケンタロウさんも「俺は通暁してるんだぜ」とは言わないはずです。

会話では使わないけど文章では使うということは、ケンタロウさんの頭には、その言葉がインプットされているのです。
知っているから、使えるのです。
その言葉の意味も知っていないと、使いようがありません。
食材をストックするように、言葉もストックされているのです。

私は、ケンタロウさんの書く文章が大好きです。
ケンタロウさんの起承転結力にいつも感動しています。
ケンタロウさんが相当な量の本を読んでいるのは、文章を読めばすぐにわかります。
言葉を覚えるには、読書が一番です。
淡々と書いていたかと思うと、急に情熱的になったりします。
そのギャップ、温度差が気持ちいいのです。
急流すべりに乗ってるかのような感覚になるのです。

ケンタロウさんは、インタビューで「紙の本が好き」と言っています。
おそらくカツ代さんの影響でしょう。
カツ代さんも本が大好きです。

【レシピあり】新日鉄住金(旧新日鉄)広報誌で、ケンタロウさんのインタビュー

ケンタロウさんは料理家として紹介されますが、作家と紹介されても、まったく違和感はありません。
文章が書ける料理家もカッコいいですが、料理ができる作家もカッコいいです。

今できること読書で、語彙力を鍛えよう。