【レシピあり】ケンタロウさんが無心で作りまくったねぎごま焼きめし

「小林カツ代のおいしいがいちばん」に、ケンタロウさんの焼き飯が出てきます。

小林カツ代のおいしいがいちばん

大和書房

「ケンタロウの葱ゴマ焼きめし」より


ケンタロウの葱ゴマ焼きめし

1995年1月に起こった阪神淡路大震災の後、ケンタロウさんが母カツ代さんとボランティアに出向いた時のエピソードです。
 

ケンの葱ゴマやきめし | KATSUYOレシピ

1995年1月17日。日本中がショックをうけた阪神淡路大震災。


 
ケンタロウさんも動物が大好きですが、カツ代さんはそれ以上に動物を愛しています。
ケンタロウさんとカツ代さんが向かったのは、被災した動物たちの世話をしている動物保護施設「アーク/ARK」(Animal Refuge Kansai)です。
お二人は、そこで活動されている方たちのために料理で手助けをするのです。

ただ、そこにいる人たちの大半がベジタリアンで、食事は豆の水煮缶だけだったそうです。
そこにある食材は、ねぎとごまです。

ここで2通りのタイプに分かれます。

①ねぎとごましかないと思う人
②ねぎとごまがあると思う人

ねぎとごましかないと思う人は、ねぎとごましか見ていません。
視野が狭くなっているのです。
ねぎとごまがあると思える人は、俯瞰して見ています。
視野を広くすることで、「じゃ、これが作れる」とアイデアが生まれるのです。
冷蔵庫の中の残ってる食材を確認するような感覚です。

ケンタロウさんが考えたのが、ねぎとごまの焼きめしです。
ご飯を炊き、大量のねぎを刻んで作り始めました。

楽しい状況ではないですが、でも、そういう中でも楽しんでるケンタロウさんが目に浮かびます。
歯を食いしばりながらの「なにがなんでもやらなきゃ」ではなく、淡々と動いているような気がするのです。

ケンタロウさんは、3月だというのに、作りながら汗をかき、しばらくは右手がしびれていたそうです。
まるでアスリートがゾーンに入ったかのように、夢中になって作っていたのがわかります。

カツ代さんは、「みんな幸福な気持ちになれるなんて、料理ってほんとにすばらしい」と言っています。
料理には、食べる人はもちろん、作る人も、みんなが幸せになれる力があるのです。

葱ゴマ焼きめしの作り方

葱ゴマやきめし | KATSUYOレシピ

こんがり焼けたご飯と醤油が味が香ばしい。葱と胡麻勝負の精進炒飯!

アーク

「アーク」のサイトには、カツ代さんのことが載っています。
 

小林カツ代さんのご冥福をお祈り申し上げます|アニマルレフュージ関西

小林カツ代さんの訃報を受け、大変深い悲しみを感じています。


 
カツ代さんと親交のあったアーク代表のエリザベス・オリバーさんです。

渡辺有子のしあわせな食卓

ケンタロウさんは、渡辺有子さんとの対談で、「ベジタリアンなど(料理に)制約があると気合が入る」と言っています。
もしかしたらこのボランティアのことを言ってるのかもしれません。
 

きょうの料理

NHK「きょうの料理」テキストにも、同じ話がレシピ付きで収録されています。

出典:NHK「きょうの料理」テキスト
2004年3月号

連載「小林カツ代の料理にドラマあり」
「ケンの葱ゴマやきめし」