小林カツ代さんの「マヨネーズってわっはっは」が面白い3つの理由

昨日、カツ代さんの「マヨネーズってわっはっは」を紹介しました。

マヨネーズってわっはっは

 


「マヨネーズってわっはっは」が面白い理由

「マヨネーズってわっはっは」が面白い理由は、3つあります。

①マヨメニューのみ
②マヨ様への手紙
③料理の敷居が低い

①マヨメニューのみ

「マヨネーズってわっはっは」は、タイトルの通り、マヨネーズに特化したレシピ本です。
マヨネーズといえば、サラダに使うイメージがあります。
でも、サラダメニューは意外に少ないです。
あえてそうしたのでしょう。

制作スタッフのアイデアレシピも収録されていて、カツ代さんも納得の仕上がりになっています。

マヨ様への手紙

この本のメインは、マヨレシピではなく、実はマヨ様への手紙だと思っています。
それくらいに濃いです。

拝啓 マヨ様

いやはや仕事つうのは面白く、偉大な発見を時にはさせてくれますな。
マヨ様がそうですよ。
元々マヨネーズはきらいなほうではなかったし、一応無くてはならぬ調味料のひとつではありました。
だって、エビフライやカキフライにはなにがなんでもマヨネーズがほしいし、ポテトサラダにも、不可欠なもの。
しかしですぞ、この仕事を引き受けるまでは、私は心の中で『様』と敬語を使いたくなるほどの尊敬の念はございませんでした。
マヨネーズの本を作りたいと企画をたてた女性は、どちらかというとうぐいすあんパンのような人で、一緒に来た出版社の社長は小倉あんパンのような人で、およそマヨネーズっぽくない人たちでした。
どっか、マヨネーズ会社がスポンサーになり、ガッポガッポとマヨを売り、大もうけをたくらんでいるかと思いきや、いやまったくそういうことではなくて、丸ごとマヨネーズの本を作りたいだけです。と、モゴモゴ、しかしはっきりと、言われ、「ヨッシャ、やってみよう!」という気になりました。
なんかひょっとして無限の可能性がマヨネーズにはひそんでいる気がしたのです。
未知の世界を開拓するのは大好きで、それによって、私も大きな発見が出来ればまた料理の幅が広がってもっけの幸いです。
マヨ様の原料は新鮮な卵、サラダ油、塩、酢といったシンプル極まりないもので、悪いものはなーんもない。
さあそう思ったとたん、頭の中は自分の発想に思考が追いつかないほどすごい勢いでピカピカ、ドコドコ、アレモコレモ、ピッピピッピと、次から次へとマヨ様は大活躍。
レシピが怒涛のごとく渦巻いてきました。
チャーハンを作ったときなど感動的でありました。
ほんとに感激。
えーっどうしてこう美味しく、うまくいくの!?
小林カツ代マヨチャーハン専門店を開きたいほど、マヨをかくし味に入れるだけで見事にパラッとしてコクのあるチャーハンが苦もなく出来て、自分が考え出したのに本人がびーっくり。
おいしいものをまずくする気はさらさらないので、マヨを加えたらよりおいしかろうと思うもの以外ぜったい使いませんでした。
料理に奇をてらったものは断じていやです。
私が生み出すものは全ておいしいというものでなくっちゃいやなので、その点マヨ様も喜んでくれたことと思います。
どこかのマヨネーズ会社から使ってくれたらなんぼあげるといわれたわけでもなく、とにかく、これらを使って面白く、おいしいもんを作ってみようと思っただけで、こんなにもたくさんのうまいものを生み出せるとは、マヨ様もエラク、私もエライと、ちとハナピクピクさせてます。
余談ながら、この本の素敵な器を用意してくれたスタイリストの坂上嘉代さんは、坂上マヨと改名したはうがよいくらいのマヨリストで、編集者の鈴木夕未サンもまたマヨリストでした。
小倉あんパン社長はかくれマヨリストだったらしく、私の作った料理を黙々と大急ぎで食べる姿を見ていると、どうもそうらしい。
もしくは、こんなにもマヨはうまかったのか感涙しきりかのどっちか。
うぐいすあんパンは「カツ代さん天才!」と叫びつつ、食べまくっていました。
ま、そんなこんな、とにかくマヨネーズならぬマヨネーズ様と格上げした次第です。
あらあらかしこ

引用:マヨネーズってわっはっは(生活情報センター)94〜95ページより

③料理の敷居が低い

この本には、他のカツ代本にはないようなジャンク系のメニューが多いです。
たとえば、「ハムマヨ醤油」です。

私が小さいころから大好きだったおかずがあります。
薄切りでそんなに上等でないハムの方がホントはよくて、マヨネーズと醤油をつけ、ホカホカのごはんと食べる。
近ごろは昔のようなハムがないけど、たまにやっています。

引用:67ページより

このメニューには、レシピ本には必ずある「材料・分量」「作り方」がありません。
ハム、ミニトマト、カイワレ、ごはん、マヨネーズ、醤油の写真があるだけです。
つまり、ハムと簡単な野菜をおかずにごはんを食べるメニューです。
食べ方は、マヨネーズと醤油を好きなバランスで混ぜてハムを付けるのです。
もちろん、マヨ醤油を付けたハムをそのまま口に入れずに一旦ごはんに落とします。
マヨ醤油味になったごはんがたまらないのです。
完全にジャンクな食べ方です。

「ハムマヨ醤油」だけでなく、他にもジャンク系があります。
・ごはん + マヨ
・しいたけ + マヨ
・餃子の皮 + マヨ
・お餅 + マヨ
・食パン + マヨ
・ツナ + マヨ
・鮭 + マヨ
・スパム + マヨ
・コンビーフ + マヨ

「そんなんでいいんだ」と思うと一気に楽になります。
ジャンクだろうがなんだろうが、おいしければそれでいいのです。