ケンタロウさんが「人に教えないで」と願った母の「豚の和風ステーキ」

ケンタロウさんが「できれば人に教えないでほしいな」と思った母カツ代さんの料理があります。

豚の和風ステーキ

カツ代さんが豚の和風ステーキを撮影する前日に材料を用意していたら、それを見た当時中1のケンタロウさんがこう聞きました。

今夜のおかずは和風ステーキ?

ケンタロウさんの大好物のおかずなので、早くもテンションが上がります。

カツ代さんの答えは、こうです。

違うのよ、お仕事のよ

ガックリです。
勝手に期待した自分が悪いのですが、晩ごはんのおかずじゃないとわかると、やっぱり落ち込みます。

ケンタロウさんは続けます。

でも、こんなにいいものを人に教えるの?

そうよ、それがお仕事だから

カツ代さんはサラリと返します。

でも、なんだか惜しいなぁ

すべての引用:小林カツ代の簡単おかず(家の光協会)より


おいしいものは独占したい

何気ない親子のやりとりですが、ケンタロウさんは小さい頃から食べ物への熱量がすごいです。
ストレートです。
しかもまったくブレません。

自分のお母さんが作ったおいしいものを誰かに教えることで、今まで独占できていた優越感が薄れていってしまうんじゃないかという不安や寂しさがあったのでしょう。
地元の誰も知らないようなところでおいしいお店を見つけて、誰かに教えたいけど、でも広まってほしくない、自分だけの隠れ家のままであってほしいのと似ています。

たぶんカツ代さんは「教えたって、減るもんじゃあるまいし」と思っていて、ケンタロウさんとの温度差が面白いです。

でも、長い目で見れば、カツ代さんのおいしいものが広まってくれたおかげで、お互いにウィンウィンになれたのです。
めでたしめでたし、です。