Amazonでケンタロウ本レビューを読んでみた/バーンと、うれしいおやつ編

「バーンと、うれしいおやつ」(文化出版局)は、「ケンタロウファンブック」だそうです。

ケンタロウファンのための本

この人は、ネットのレビューを見て評価が高かったのでこの本を買ってみたものの残念な内容だったようです。

この人の思う「バーンと、うれしいおやつ」が残念な理由は、ただ1つです。
「内容が本の値段に見合ってない」からです。
つまり、高いというのです。
評価も、星2つです。

他にも不満があるようです。
・完成写真は大きいのに、作り方は小さい
・調理手順の写真も白黒で小さい
・本の値段にしてはレシピ数が少ない
・お菓子作りの中級者には物足りない、初心者には手順の写真が少なく不親切

本代は授業料

この人は、「この本はケンタロウファンブックとしか思えない」と言っています。
レシピ本に限らず、「その著者のファンだから」という買い方をする人ばかりではありません。
この人も、ネットのレビューを見て気になったから、良さそうと思ったから買ったのです。
でも、思ってたのと違った。
それは買い物の流れとしては、よくあることです。
いたって普通で、シンプルな買い物体験です。

私は、この人が「バーンと、うれしいおやつ」を買って失敗だったとは思いません。
なぜなら買ってページをめくってみて、残念だったと気づけたからです。
それが身銭を切るということです。
授業料です。
本屋さんで立ち読みしていたら、きっとそこまでは感じなかったはずです。
お金を払って初めて自分のこととして読むからです。
真剣味が違います。

たとえば、おいしそうなお店を見つけたので入りました。
オススメだというカルボナーラを注文して食べてみたけど、イマイチだった。
よくあることです。
だからといって、いちいち「損をした」「食べるんじゃなかった」と言っていたら、外食どころか何もできなくなります。
世の中がすべて自分の思うようになることは一つもありません。

レシピの数イコール本の値段ではない

「バーンと、うれしいおやつ」は、税別1400円です。
レシピ数は、54です。
どこからが高くて、どのくらいが多いかは言い出したらキリがありません。
1400円で54が高いなら、ケンタロウ本に限らず、多くのレシピ本は高いということになります。
当たり前ですが、レシピ数で本の値段を決めているわけではありません。
いろんな経費がかかって、その値段になっているのです。
文字数の計り売りではないのです。

「高いか安いか」は、結局、好きか嫌いかです。
値段ではありません。
たとえばレシピ本も、たった1つのレシピでも作ってよかったと思えたら、買って正解です。
たとえレシピはイマイチだったとしても、「エッセイが面白かった」「作り方のコツがわかった」、もっと言えば、料理の楽しみがわかったと思えたら、その本に出会えた意味があったのです。
それは値段やレシピ数とは関係ありません。
本のすべてのページが面白い、すべての言葉にピンとくる、はありえません。
たった1行、たった一言でもピンとくる、グサッと突き刺さるような言葉に出会えたら、その本を買った意味があるのです。
この人にとって「バーンと、うれしいおやつ」は、「値段の割りにはレシピ数の少ない本」というより、相性が合わなかったのです。

花を持つケンタロウさん

「バーンと、うれしいおやつ」のカバーには、ケンタロウさんが花を持っている写真があります。
この人は、それが気に入らないようです。

ケンタロウ氏が花一輪持っている後姿写真を使うところが生理的にどうも
本屋で見ていれば、自分は絶対に買わない

(下記参照ページの「なか見検索」で花を持つケンタロウさんの写真と一部レシピが見れます)

「ごくらくの食卓」(主婦と生活社)の「ネギ買って花買って、んで帰る」に、ネギを買った帰り道に花を買う話が出てきます。

花屋の女の子がチラッとネギを見て、フフッと微笑む
このフフッが大事なのだ
いつか君にも作ってあげるからな、などと思いつつ、ガーベラを3本、リボンもセロファンもいりません
手づかみにして帰る

「バーンと、うれしいおやつ」の表紙カバーで、ケンタロウさんが右手に持つ花は、なんとガーベラです。
しかも3本で、手づかみです。
有言実行とはこのことです。
 


 
花を持つ写真とレシピは、まったく別問題です。
本質ではありません。
しかも、表紙カバーです。
カバーを取ってしまえば、なんら問題ありません。
取らなくても、見返し部分で見えていないので、調理には影響しません。
写真が生理的に受け付けなくても、お菓子はおいしく作れるのです。

参照ページ

ケンタロウ本レビューを読んでみた