解説文が読みたくて、何度も手に取ってしまう。/ケンタロウ本「ドカンと、うまいつまみ」
- 2020.08.03
- ケンタロウさん
「ドカンと、うまいつまみ」(文化出版局)の魅力は解説文だ、と言い切ります。
メニューの解説文
「ドカンと、うまいつまみ」には、どのメニューにも解説文が書いてあります。
それがとても面白いのです。
解説文だけを抜き出して、それを本にしても十分通用します。
料理本の解説といえば、
・ここがポイントです
・注意してください
・こんなアレンジもできます
などが定番ですが、「ドカンと、うまいつまみ」はそれだけにとどまりません。
キャベツの中華風重ね漬け
こくのある香ばしい香りが漂って、早く食べたくなるけれど、重しをしてしばらくの間がまん、がまん。
バターキャベツ
バターよ、ありがとうと礼を言いましょう。
炒め豆腐
もやしと、ほかに何を炒め合わせようかなって考えていたら、そうだ、桜えびがあった。
予想どおり、味が決まった。
鶏手羽先の粗びきこしょう
こしょうの力を思い知らせてやるって感じですき間なくぎっしりふる。
スパイスポテト
フライドポテトというと、普通は塩こしょうだけ。
でもせっかくのつまみ、飲み仲間にも「ほおっ」と言わせたいところだ。
文字だけを見ると小説と思ってしまう
本当は全部紹介したいのですが、5つだけにしておきます。
抜き出している最中も、面白くてついニヤニヤしながら入力していました。
料理本の中の文章なので解説だとわかりますし、そう思って読むので違和感はないですが、文章だけを読むと小説の一文です。
ただの作り方のポイント解説ではなく、その文章があるおかげでメニューの世界観がグンと広がります。
あるのとないのとでは大違いです。
解説がないとなんとも思わないメニューも、「予想どおり、味が決まった」と書いてあると「ケンタロウさんがそう言うなら作ってみたいな」となります。
この違いは大きいです。
たかが解説文と思って読んでいたらこの面白さはわかりません。
「ドカンと、うまいつまみ」は、解説文が読みたくて手に取ってしまう本なのです。