ある日突然、「ケンタロウ」になったのではない。

富士通セミコンダクターマガジンのサイトで、広報誌「FIND」にケンタロウさんのインタビューが載ってました。
(すでに削除されています)

それを読むと、ケンタロウさんのこれまでの道のりがいかにジグザグで遠回りだったかがよくわかります。
でも、その回り道があったからこそ、今のケンタロウさんがあるのです。

小林健太郎からケンタロウ

もし、やりたいことがやりたいようにできた思い通りの人生だったら、おそらく料理家にはなっていなかったです。
もしかしたら洋服のデザイナーだったかもしれません。
下着のデザイナーかもしれません。
家具デザイナーの小林健太郎として活動していたかもしれません。
料理自体は好きでしたが、それを仕事にすることはなかったのです。

つまり、私たちの知るあの「ケンタロウ」さんは存在しなかったことになるのです。
そう思うとゾッとします。
ネットで検索したあなたがこの記事を読むこともなかったのです。

振り返れば、一本の道

もちろん、ケンタロウさんはジグザクな遠回りをしたくてしたのではありません。
苦く辛い時間も短くはなかったでしょう。
でも、少なくとも私たちはあのケンタロウさんの本と巡り会えました。
それも彼が紆余曲折な人生を歩んでくれたからこそです。
もう感謝しかないです。

そういう意味では、私たちの歩いてきたどの道も間違ってなかったのです。
あの日、あの時、本屋さんに行ってなかったら、もし隣のレシピ本を手に取っていたら…
挙げ出したらキリがないですが、バラバラのように見える線路も、振り返ってみれば、実は1本につながっていたのです。

そう感じながら、今日もケンタロウ本をめくるのです。
 

今できること遠回りしよう。