【ケンタロウさん】魚のさばき方より、「魚っておいしい」を知る。

ケンタロウさんは、「魚をさばけなくてもいい」と言います。

ケンタロウの和食 ムズカシイことぬき!

魚をさばくこともできないなんて、三枚にもおろせないなんて、という人もいるかもしれないけれど、魚なんておろせなくたっていいんだぜ

魚なんて、いっぺんうまい煮魚を作ってみて、「ああ、やっぱり自分でさばいて作りたいな」と思ったら、さばけるようになればいいし、一生さばけなくたって、とびっきりうまい煮魚が作れるのならば、人生になんの不便があるっていうのさ

魚がさばけない
3枚におろせない
そんなの全然まったく問題なし
別にこれから一生さばけなくったっていいんだぜ
魚をウツクシク3枚におろせることなんかよりも、切り身の魚でも、おいしい料理を作れることの方がよっぽど大事

出典ケンタロウの和食 ムズカシイことぬき!
(講談社)

 

魚屋さんと仲良く

さかな屋さんと仲良くなるということは、さかなを使って料理をするときには、いちばんといってもいいぐらいに大事なこと
さかながさばけなくても、さわりたくなくても、ぜんぜんまったく大丈夫
さかなを使うのに特別な技術なんていらない
いるのはいかすさかな屋さん
あとは自転車と笑顔かな

出典ケンタロウ「魚!」ムズカシイことぬき!
(講談社)

 

「魚屋さんと仲良くしよう」という視点は面白いです。
特別な技術を習得するのは大変そうだけど、いかす魚屋さんを見つけことならできそうと思います。
この違いは大きいです。
魚屋さんに買いに行くまでの自転車とその魚屋さんにお願いする時の優しい笑顔があれば、なおグッドです。
ケンタロウさんらしいアドバイスです。

おいしく食べることが大事

真面目な人は、つい「魚料理はとにかく下拵えが肝心です」と言ってしまいがちです。
実際、そう書く料理本が多いです。

まず、「基本中の基本の魚のさばき方をきちんとマスターしましょう」から始まります。
でも、その前に
魚の部位の名称、
選び方、
洗い方などの下準備、
包丁の種類、名称、構え方、持ち方、研ぎ方
まな板や他の小道具…
とこれだけの説明が書かれてたりします。

魚をさばきたいだけなのに、さばく前にグッタリ疲れてしまって、魚どころではありません。
「魚はやめて、パスタかカレーにしよ」となるのは目に見えています。

魚のさばき方なんてどうでもいいということではありません。
魚をさばくのに苦戦して料理が嫌いになるなら、潔くさばけなくていいと開く直っていいのです。
魚をさばけないよりはさばけた方がいいです。
でも、さばけないからと言って後ろめたくなる必要はありません。
「料理する資格はないんだ」とガッカリすることもありません。
もちろん、ダメ人間でもありません。

何より一番大事なのは、おいしく食べることであって、魚をさばくことではありません。
魚をさばくことは、あくまでも手段なのです。

魚を3枚におろせるということとおいしい魚料理を作れるということは、まったくなんの関係もない

出典ケンタロウ「魚!」ムズカシイことぬき!
(講談社)