ケンタロウ本は、安い・早い・親切・安心の4拍子だ。

自動車整備工場の看板を見た瞬間、思わず反応してしまいました。

安い・早い・親切・安心

 
看板
 
「安い」「早い」「親切」「安心」の4つともケンタロウ本を表すキャッチコピーにぴったりだからです。

安い

ケンタロウ本は、どれも高くありません。
いたって常識的な価格設定です。
「ケンタロウ 1003レシピ」(講談社)は税込2750円しますが、ボリュームを考えるとむしろ安いくらいです。

「安い」には、もう一つの意味があります。
料理に使う材料です。
ケンタロウさんが提案するのは、どれも安く買える材料で作れるメニューばかりです。
高級食材はほとんど出てきません。
近所の普通のスーパーで買える普通の食材で作れるのがケンタロウ本の「売り」なのです。

早い

ケンタロウ本の「売り」は、なんといっても「パパッと作れる」です。
5分もあれば作れるメニューはたくさんあります。
パパッとできないのはケンタロウメニューではないと言ってもいいくらいです。

親切

ケンタロウ本はわかりやすいです。
「ちょっと何言ってるかわかんない」と言いたくなるようなメニューは出てきません。
「シンプルでわかりやすい」も、ケンタロウ本の「売り」なのです。

安心

どのケンタロウ本にも出てくるメニューがあります。
カレーです。
ケンタロウさんが好きだからです。
どのケンタロウ本にも出てくる調味料があります。
ごま油です。
ケンタロウさんが好きだからです。
それを見た読者は「まただ」とニコニコしています。
突拍子もないメニューが出てきたら、それはケンタロウ本ではありません。
食べ慣れたいつもの料理が、結局一番強いのです。
「またカレー?」と思いながらも、「でもそれがケンタロウ本なんだよね」と読者は安心するのです。