hontoでケンタロウ本レビューを読んでみた/元気な一汁一菜編

「眺めているといろんな物語を想像する」と言ってる人がいました。

ケンタロウ本の読者には、2通りの人がいます。

①書かれている字を読む人
②字の奥にある世界を読む人

この人は、後者です。
ケンタロウ本に限らず、すべてのレシピ本にも言えることですが、レシピ本は想像しながら読むと格段に楽しくなります。
書かれてある字の通りに作るだけでもおいしくできるのですが、想像しながら読むことで世界がグッと広がるのです。

ゲームだけでなく、いろんな分野でARが広がってきています。
ARとは「Augmented Reality」、拡張現実の略です。
あたかもそこに別の世界が広がってるかのような感覚になる技術ですが、ARに頼りすぎると想像力が弱くなっていきます。
映画と小説を比べるとよくわかりますが、映像として見えていると、つい目に頼ってしまうのです。

昔は料理の作り方で参考にするものといえば、雑誌か本でした。
テレビでもいろんな料理番組がありますが、どうしても時間に制約がある関係で、展開が早すぎてペースが合わないのです。
今では YouTube などレシピ動画が当たり前になっています。
将来的には、キッチンにもタブレットが埋め込まれて、作りたいレシピがパッと出てきて映像として作り方を見れるようになるでしょう。

レシピ本にあるのは文字と写真だけで、音や匂い、温度はありません。
映像として調理過程が見れたとしても、やっぱり匂いや温度は感じません。
文字や写真にはない情報を、いかに感じ取れるかです。
それが想像力です。

レシピ本には、作り方の最小限の情報しか書かれてありません。
字の奥深くにある情報を想像力を使って読み込むのです。
これは人によって差が出てきます。
だから、面白いのです。

このレビューを書いた人は、おそらく音や匂い、温度はもちろん、ケンタロウさんの息づかいや撮影場所の空気までも感じ取っているでしょう。
それがすべてのレシピ本の正しい読み方です。
ただ字を読むだけでもいいのですが、字の奥には無限の世界が広がっているのです。
しかも、読む人の数だけ世界が存在します。
この人にとってケンタロウ本は、宇宙なのです。

参照ページ

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