ケンタロウ本の、はみ出たところが好き。

真面目な人は、ケンタロウ本は読めません。

「ケンタロウの基本のウチめし」のはみ出たところ

まず、「ケンタロウの基本のウチめし」(オレンジページ)から3つ紹介します。


キャベツのパスタ

キャベツはスパゲティのゆで上がりラスト15秒で加えて一緒にゆでちゃう。
頭いいな。おれ。

もやしとエリンギのキムチあえ

もやしとエリンギとキムチと豚肉。
それぞれ違う食感が絶妙なハーモニー。
「ハーモニー」って1回言ってみたかったんだ。

なすと鶏肉のヨーグルトあえ

ヨーグルトは酸味とこくがあってしつこくなくて、あえものにはぴったりなんだ。
インド人もそう言ってる。
うそだけど。

はみ出たところがケンタロウ本の魅力

はみ出たところは、言い換えれば、「関係ないこと」「余計なこと」です。
たとえば、上の3つにはすべて料理には関係ないことが書かれてあります。

・頭いいな。おれ。
・「ハーモニー」って1回言ってみたかったんだ。
・インド人もそう言ってる。うそだけど。

どれも余計で、どうでもいいことです。
大事なことではなく、わざわざ書くことでもありません。

でも、必要ないからいらないかと言われれば、あった方がいいです。
なぜならそれがケンタロウ本の魅力だからです。
はみ出たところがあっての、ケンタロウ本です。
はみ出たところが一つもない四角四面のケンタロウ本は、ケンタロウ本ではありません。
真面目な人には、ケンタロウ本は読めません。
真面目な人は「うそだけど、とはなんだ。けしからん」とムッとします。
「ユーモアなんかいらないから、料理の作り方さえわかればいい」と言う人は、ケンタロウさん以外のレシピ本をお勧めします。

「ケンタロウのいえごはん こどもも おとなも 好きなものばっか。」のはみ出たところ

「ケンタロウのいえごはん こどもも おとなも 好きなものばっか。」(講談社)には、人生が出てきます。


ギョーザの皮

ぜひ、皮から作ってみてほしい。
そうすれば人生変わる!(かも!)

ギョーザの皮と人生は直接は関係はありません。
少なくとも料理本にはなくてもいいキーワードです。
でも、市販品のギョーザの皮を使うのではなく、一から作ると人生がガラッと変わる可能性はあります。
一見関係ないように見えて、実はつながっているのです。