【小林カツ代さん】包丁には、オシャレは必要ない。

ケンタロウさんが選ぶ調理道具には、使えたらなんでもいいという物もあれば、そうでない物もあります。

たとえば、「ケンタロウのおいしいごはん 基本のABC」(講談社)の包丁のコメントには、こうあります。

最も大切な道具だと思う
少々高くても良いものを使うのが、結局は長く付き合えるし、安全

 


カツ代本「だから料理が好きになる」

先日、「ケンタロウなぞかけ」で、鉄のフライパンのことを書きました。

 


 
そこで取り上げたのが、カツ代本の「だから料理が好きになる」(主婦と生活社)です。
「やっぱり鉄のフライパンだよン」では、フライパンの流れからカツ代さんの料理哲学の話になります。

男性も女性と同じくらい料理をするべき

鉄のフライパンの重み、ガスの火の音、炒めたり焼く時の香り、調理中の思いや感覚、これらのことを知らずに一生を終えてしまってはあまりにもったいない

花柄の包丁は一生いらない

包丁の話は、文字通り、グサッと突き刺さるものがあります。

花柄の包丁は断じて受け入れない
どんなに使いやすくても、花柄や白い包丁は絶対拒否

カツ代さんがデザインが入った包丁が嫌いなのは、「人をも殺せてしまう恐ろしい刃物なのに、花柄などの遊び心は必要ない」という考え方だからです。
包丁を持つことは、それくらいに真剣勝負なのです。

料理は、寂しさを併せ持つ残酷なもの

章の最後は、こうあります。

年を取り、どんなに世の中が便利になったとしても、冷たい感触の包丁は手放さない
体力的に重い鉄のフライパンが持てなくなる日が来るかもしれない
料理は、寂しさをも知らしめる残酷なもの

ケンタロウさんも、こういったカツ代さんの教えで育ったのを思うと、道具選び一つとっても、より深みを感じます。