料理の外側を見ると、ケンタロウ本はもっと面白くなる。

ケンタロウさんのことをブログに書くようになって、明らかに料理本の見方が変わりました。

俯瞰して、本のメッセージを感じ取る

当たり前ですが、料理本のメインは、料理とレシピです。
材料や作り方があって、調理手順、盛り付けられた料理など写真が載ってます。
もちろん、そういうところも見ますが、もう少し俯瞰して見るようになりました。
俯瞰して全体を見ることで、著者は本を通して一体何を訴えたいのかが感じ取れるのです。
本からのメッセージです。
あくまでレシピがメインですが、レシピばかりに意識がいってしまうと、本の思いや世界観がわかりません。
1本1本の木を見ながらも、山全体を見るイメージです。

つながりがわかると、もっと楽しくなる

たとえば、デザイナー視点で見てみます。
写真はどういうカットが使われていて、どのくらいの大きさで、どういう配置になっているのか。
余白はどのくらいあるのか。
使われているフォントの種類やサイズ。
スタイリングは誰が担当していて、どの料理にどういう食器を使っているのか。
小道具の使い方はどうなのか。

奥付もしっかり見ます。
奥付には、その本の制作に関わった人たちの名前が書かれてあります。
カメラマン、スタイリスト、アートディレクター、アシスタントなどです。
ただスタッフの名前が書かれてあるだけでなく、いろんなヒントがもらえるのです。
一冊だけだとわかりませんが、いろんなケンタロウ本を見ていると、数珠繋ぎのようにつながっていることに気づきます。
たとえば、この本とあの本とでは、カメラマンとアートディレクターは同じだけどスタイリストは違う。
スタイリストは同じだけど、アートディレクターは違う、というのがわかるのです。
それだけでもとても面白いのです。

私は、ケンタロウ本の制作スタッフはだいたい覚えています。
本のキャラや立ち位置を把握したいからです。
制作スタッフなんか知らなくても、料理は作れます。
でも、知っていることで、ケンタロウさんがより立体的にわかるのです。
ケンタロウ本だけでなく、カツ代さんの本にも同じスタッフを見つけた時は、思わず興奮してしまいました。
「ああ、だからか」と点と点がつながったのです。
背景がわかっているのといないのとでは、理解度はまったく違ってきます。
より深くわかって、奥行きが出るのです。
本のいい・悪いとは別の次元です。
全体の中の一冊として見ると、いい・悪いはどうでもよくなります。
それぞれのよさが見えてくるのです。
レシピだけ見ていても料理は作れますが、料理のちょっと外側も見てみることで、料理本はもっと楽しくなるのです。
 

今できること俯瞰して、見よう。

ケンタロウ度を調べてみた