【ケンタロウさん】料理本から音と香りが出ると、エンターテインメントになる。

「ケンタロウの基本のウチめし」(オレンジページ)に、「カリカリ鶏肉丼」があります。


カリカリ鶏肉丼

写真に添えられたポイント解説に、こうあります。

「ジャーッ!」
この音、このにおい、お伝えできないのが残念。

音と匂い

本から直接音を聞くことはできませんが、たとえばQRコードをスマホで読み込み、リンクしてある YouTube で映像を見ることは技術的には可能です。
ただ、香りまでは無理です。
香りの素を本の付録として付けることはできますが、それはあくまでも科学的に合成された「それっぽい匂い」で、本物ではありません。

覚悟が必要になる

もし本から音と匂いが出たら相当な覚悟が必要になります。
たとえば料理本をめくっていて、「わあ、これおいしそう」と思うことはよくあります。
そこに音と匂いが出るのです。
想像するだけで脳がパニックになります。
飯テロという言葉がありますが、まさにテロです。
視覚 + 聴覚 + 嗅覚が同時に刺激されるのです。
そこに読む人の想像力が加われば、もうエンターテイメントです。
「わあ、これおいしそう」のレベルではありません。
食べる気はなかったのに、うなぎ屋さんの前を通ったら香ばしいタレの匂いが漂ってきてうなぎの口になるように、カレーのページを開いた瞬間、カレーの口になってしまうのです。
カレー好きの人にしてみればいじめです。

音だけならまだガマンできます。
たとえば、鶏肉を焼く音の動画があります。

 
もし焼けた匂いまで出れば、もうガマンできません。
すぐにでもご飯が欲しくなります。

あってほしいけど、ない方がいいこともある

ケンタロウさんは「お伝えできないのが残念」と言っています。
でも、私は伝えられなくてよかったと思ってます。
なぜなら誘惑に勝てっこないからです。
音や匂いがあれば、イメージもより膨らんで、作るのも楽しくなります。
反面、どれにしようか決められません。
どのページも作りたいメニューばかりだからです。
うっかりカレーのページを開いたら、即カレーの口です。
次のページではニンニクのいい香りがしてきました。
その次は焼き魚です。
焼きそばのページでは焦げたソースの香りです。
とてもじゃないですが、冷静に決めることはできません。
技術は日進月歩です。
料理本から音や香りが出てくるのはそれほど先ではないはずです。
本という媒体ではないかもしれませんが、その時までに平常心を保つ訓練をしておいた方がよさそうです。