「結局何が食べたかったのかわからなくなる」が、ケンタロウ本の醍醐味だ。

「確か鶏もも肉のメニューがあったよな」と思い出し、「ケンタロウのすごくシンプルなごはん」(学研)をパラパラとめくり始めました。


鶏ステーキ

探していたのは、50ページの「鶏ステーキ」です。
醤油とみりんのシンプルな味付けで、付け合わせは焼いたブロッコリーです。

「よし、これにしよう」

鶏 → 豚

「鶏ステーキ」の隣のページは「豚ステーキ」です。
肉の上にはマヨネーズが乗っていて、茹でじゃがいもが付け合わせです。

「豚もいいなあ」

豚 → 牛

「鶏ステーキ」の前のページは「牛ステーキ」です。
たれ + わさび + 塩 + こしょうが揃っていて、飽きさせません。

牛 → タルタル

「豚ステーキ」の次のページは「えびのフリットタルタルソース」です。
えびの気分ではありませんが、タルタルにはそそられます。
ご飯にもバッチリです。

カレー

さらにページをめくると、「鶏ときのこのカレー」があります。

「カレーもいいなあ、カレーかなあ」

カレー → みそ

次のページは「みそそぼろ丼」です。
ご飯との相性は抜群です。
カカカッと掻き込みたいです。

みそ → ピー

ページをめくると、「肉ピー丼」です。
もう何度も作った大好きなメニューです。

「久しぶりに作りたいなあ」

パン・漬物・汁物

「クロックマダム」と「きゅうりのみそ漬け」と「キャベツのカレー酢漬け」にもグッときます。
「鶏スープ和風」も候補です。

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誰に頼まれたわけではありませんが、最初から見ていきます。

「たっぷりもやし炒め」
「しゃくしゃくれんこんの甘辛炒め」
「じゃがいもチーズ焼き」
「ほうれん草のバターソテー」
「ちぎりキャベツのサラダ」
「じゃがいもと焼きたらこのサラダ」
「焼きれんこんのサラダ」
「キャベツとベーコンの煮もの」
「ズッキーニの真っ黒ごま煮」
「豚のみそ焼き」

「これもいいけど、こっちもいいな」が楽しい

ほぼ一周して、ふと気付きました。
「あれ、何を探してたんだっけ」

そうです、鶏もも肉です。
いろんなページに目移りしてるうちに、いったい自分は何を作りたかったのかがわからなくなっていました。

「ケンタロウのすごくシンプルなごはん」は、大好きな本です。
興味のないページがないくらいに、好きなメニューばかりです。
だから決められないのです。
「これもいいな」「こっちもいいなあ」「やっぱりこれにしようかな」
時間がある限り、ずっとこの繰り返しです。
お店ではメニューが決められないお客さんは迷惑ですが、家だと迷い放題です。

「どうしてケンタロウめしは、こんなにうまそうなんだろう」と言ってる人がいますが、私も同感です。
「簡単でおいしい」はケンタロウさんメニューの「売り」です。
作りたいメニューがあり過ぎて「結局何が食べたかったのかわからなくなる」も、ケンタロウ本の醍醐味なのです。