【ケンタロウさん】カラスは、害鳥ではない。

最近、家の周りでカラスがよく飛んでいます。
朝早くから暗くなるまでずっと鳴き声が聞こえています。

ケンタロウさんはカラスが好き

私はカラスを見ると、ケンタロウさんを思い出します。
ケンタロウさんがカラスについてのエッセイを書いているからです。

私は、ケンタロウさんのエッセイを読むまではカラスはあまり好きではありませんでした。
どちらかと言えば、怖い鳥と思っていました。
でも、ケンタロウさんの思いを知ってからカラスを見る目が一変しました。
自分はカラスのことを何も知らなかったからです。
 

「ああ、腹立つ」に、ケンタロウさんのコラム収録

母カツ代さんもカラスが好き

ケンタロウさんがカラスのことが好きなのは、母のカツ代さんもカラスが好きだからでしょう。
カツ代さんのエッセイ本「愛しのチー公へ」(筑摩書房)にカラスの話があります。

きらいから好きに変える必要はないけど、好きでなくても無関心でもいい、カラスが生きているのも当たり前っていうか、そうするとすごく人の見かたや感じかたがかわってくるんじゃないですか。

引用:37ページより
 

小林カツ代さんの「愛しのチー公へ」に、ケンタロウさん


カラスを学ぶ

カラスのことをよく知らないのに「怖い鳥だ」と思い込むのはただの偏見です。
いろんなカラスの本を読んでみたら、いかに自分が無知だったかがよくわかりました。

・カラスはスズメの仲間
 →スズメ目カラス科カラス属
・街中でよく見かけるのはハシブトガラスとハシボソガラス
・カラスが黒い理由はわかっていない
・鳴き声には意味がある
・何でも食べる雑食性

 →特に脂っこいものが好き
 →生野菜は好きではない
・食べ物が余るとどこかに隠して後で食べる(貯食)
・撃退グッズは効果がない

 →カラスは学習能力が高いのですぐに慣れてしまう
・カラスが一番怖いのは人間
 →何をするかわからないから
・人間の顔を記憶できる
・カラスの視力は優れている

 →色の識別能力も高い
・嗅覚はよくない

ここからは読んだ本を紹介します。

カラス

おもしろ生態とかしこい防ぎ方
杉田昭栄
(農山漁村文化協会)

カラスの生態を知って、いかに農作物をカラスから守るかが書かれています。
一番最初に読んだ本なので、インパクトが大きかったです。


カラス学のすすめ

杉田昭栄
(緑書房)

この本では、ケンタロウさんと同じ考えを代弁してくれていました。

カラスに有益性などあるのでしょうか?
これまで私たちがカラスに頭を痛めてきたことを思えば、とても有益性など考えられないというのが現実です。
私としてもいきなり「カラスの有益性は?」と聞かれてもそう簡単に答えは思い浮かびません。
それだけカラスと言えば「問題あり」という固定概念ができています。
しかし、冷静になって考えますと、カラスのやることなすことすべてが有害とは言い切れない点が多々あることがわかりました。
一つは害虫を退治してくれるところです。
(中略)
イタズラも多いので感謝されるまでには至っておりませんが、カラスによる害虫の補食があってこそ、イナゴやバッタの異常発生が防がれている可能性があります。
(中略)
カラスの存在は、一部の害鳥獣が極端に増えないようにする抑止力になっているのです。
このように、実はカラスにも良いところはあるのですが、全身真っ黒で身体の大きい容貌のせいか、我々人間に役立つことをしていても、なぜか嫌われてしまいます。
これはカラスの立場で考えると少しかわいそうな気もします。

引用:第8章 カラスと人間のこれから 
300〜302ページより
 

カラスも立派な自然界の一員です。
カラス問題は私たち人間の生活スタイルの結果から生じたということを実感し、ある程度カラスを寛容に見る必要があるでしょう。
そんな意味では「カラスとヒトはすでに共生している」という認識でも良いような気がします。
ゴミの散乱、人間への攻撃など、カラスの問題は確かにあります。
深刻な被害を受けている方にはまったく不遜な言い方かもしれませんが、あれやこれやとカラス問題で議論が交わされていること自体が、人間社会にプラスになっているのではないでしょうか。
カラスが目につくようなゴミの出し方、収集方法を採用していながら、そのゴミ(エサ)を食べてはいけないなどと非難するのは、人間のエゴです。
カラスとの共生などと大上段からテーマを投げかけてみましたが、それは私たちの考え方一つで簡単に実践できます。
カラスが住んでいたところに後から人間がやって来たという意識を常にもてば良いのです。
新しい環境に移り住んだときには、隣近所の迷惑を考えて慎み深い生活をするでしょう。
それと同じことをカラスに対してもすれば良いのです。

引用:第8章 カラスと人間のこれから 
327〜328ページより


カラスなぜ遊ぶ

杉田昭栄
(集英社新書)

とてもわかりやすくて面白いです。

・カラスの視野は約300度以上あると考えられる
・複雑な図形の違いも簡単に識別できる

カラスが人間に近づいて来たのか、人間の営みがカラスを身近にさせたのかは、何とも言えませんが、現実としては両者の接点が多くなり、摩擦も生じていることは確かです。
今となっては、わたしたちはこのカラスと向き合っていかなければなりません。
どうにも邪魔なイタズラ者として、いつまでも好戦的に向き合うか、よく発達した能力の高いトリとして、その行動や興味ある習性を微笑ましさをもって見ていくのかは、わたしたち人間の度量によります。
いくらカラスが賢いといっても、カラスの方から解決策をわたしたち人間に打診して来ることは、まず考えられません。
ですから、ここは、脳化指数がカラスの約6倍高い人間側が調整案を出すべきです。
わたしたちは、明治以来少なからず物質社会の繁栄を目指し、多くの自然を切り捨てて来ました。
その分、生活も豊かになり、経済面では世界をリードする国をつくり上げたことも事実です。
その反面、生き物としての豊かさを放棄した結果として、合理化と生産重視に偏重した社会独特の歪みをもたらしています。
カラスごときと思われるかもしれませんが、カラスの問題はカラスだけの問題にとどまらず、人間と自然との調和という大きな問題の氷山の一角に過ぎません。
カラスを通して、その水面下にある大きな問題を掘り下げていく必要があります。

引用:おわりに
230〜231より


カラスの教科書

松原始
(講談社文庫)

わかりやすくて面白いです。

・カラスの世界では、しずかちゃんは多分ジャイアンと結婚する


カラスはなぜ東京が好きなのか

松田道生
(平凡社)

定点観測の詳細レポートです。


カラスのひみつ

生態と行動のふしぎをさぐろう
監修:松原始
(PHP研究所)

図鑑です。
写真や図が大きく、子供にもわかりやすいです。

・カラスの集団にはボスやリーダーはいないが序列がある
・巣の周りに縄張りを作る
・紫外線も見れる
・カラスは食べれるけど、おいしくない


にっぽんのカラス

監修・著:松原始
(カンゼン)

解説付き写真集です。

ゴミが漁れない場合、カラスは行動圏を広げて餌を確保しようとします。
ということは、より大きなナワバリが必要になり、町内に住めるカラス夫婦の数が減る、ということです。
カラス対策としては捕殺が有名ですが、その効果がきちんと検証されたことはありません。
ゴミがある限り、どれだけ捕殺してもカラスは他所から入ってきます。
餌が足りない場合は、他所からカラスが流入してくることもありません。
つまり、カラスの個体数自体も減るはずです。
カラス対策を行うのであれば、ゴミをカラスから遮断するのが最も重要でしょう。

引用:もっと! カラスとのつき合い方
65ページより


カラスの自然史

系統から遊び行動まで
編著:樋口広芳・黒沢令子
(北海道大学出版会)

学術書です。
カラスの遊びの項目は面白いです。


カラスのくらし

菅原光二
(あかね書房)

カラスの生態がざっくりとわかります。


生ごみをあさるカラス

野生動物被害から考える環境破壊
今、動物たちに何が起きているのか

監修:三浦慎悟
(金の星社)

やや人間目線の視点です。


カラスのいいぶん

人と生きることをえらんだ鳥
嶋田泰子
(童心社)


わたしのカラス研究

柴田佳秀
(さ・え・ら書房)

・カラスは油(脂肪)が好き
 →石けんも食べる


カラスのジョーシキってなんだ?
柴田佳秀
(子どもの未来社)

・ほとんどの鳥は鳥目ではない


図解 眠れなくなるほど面白いカラスの話

松原始
(日本文芸社)

カラスのことが一から学べます。

・大都市にカラスがたくさんいるのは日本くらい
 →理由はわからない
・音階の聞き分けは人間よりも優れている
・人間に換算すると1日10キロ食べている


世界一賢い鳥、カラスの科学

ジョン・マーズラフ
トニー・エンジェル
(河出書房新社)

解説が詳しいです。


カラスの文化史

カンダス・サビッジ
監修:松原始
(エクスナレッジ)

硬派な本です。

・カラスはスカベンジャー
 →自然界の清掃人