湯澤規子さんの『「おふくろの味」幻想』で、小林カツ代さんを紹介

湯澤規子さんの『「おふくろの味」幻想 誰が郷愁の味をつくったのか』(光文社新書)で、カツ代さんが紹介されています。

「おふくろの味」幻想

誰が郷愁の味をつくったのか
湯澤規子
(光文社新書)


「おいしいものを食べたいから」自分のために料理する

第5章でカツ代さんが登場します。

大阪出身の我が家では、とりわけ母が大阪人であった小林カツ代の味とその合理的な調理法に出会って「これだ!」と思って以来、そのレシピに親しんできた。

引用:第5章 メディアがおふくろの味を攪乱するより

カツ代さんとの出会い

あとがきの話は素敵です。

もし母が、1970年代のある日の小さな新聞記事で小林カツ代に出会っていなかったとしたら、私はこの本を書くことはなかったかもしれない。
高度経済成長期の真っただ中、3人の子どもを育てる専業主婦だった母は、小林カツ代の「食べたかったら、自分で料理ができるようになったらええやん」という哲学に背中を押され、ついでに私もそんな母の真似をして、面白そうだからと台所で遊ぶようになった。

引用:あとがきより

もしお母様がその新聞記事を読んでなかったら、娘の規子さんは料理を好きにならなかったかもしれないのです。
まさに運命の出会いです。

3冊のカツ代本

参考文献として3冊取り上げられています。
・小林カツ代のおかず大集合(だいわ文庫)
・小林カツ代のキッチン手帖(知的生きかた文庫)
・いただきま〜す おいしく楽しく好ききらいなく(女子栄養大学出版部)




ケンタロウさん

ケンタロウさんのことも紹介されています。

小林カツ代の息子であるケンタロウは、母の料理を受け継ぎつつ、その新しいレシピは男性たちが料理に興味を持つきっかけをつくった。
小林カツ代の「誰でも料理ができるように」というメッセージは次の世代に引き継がれたことになる。

引用:第5章 メディアがおふくろの味を攪乱するより

食の話は社会の話

東京新聞で紹介されています。