ケンタロウさんの「どこまでも自分目線」が、気持ちいい。

「ケンタロウ鍋」(家の光協会)の「豆腐とひき肉のとろみ鍋」が面白いです。

豆腐とひき肉のとろみ鍋

アチアチをごはんにドロッとかけてそのまま無言でかきこみたくなるような、そんな鍋が作りたい。
というわけで作りました。
とろみ鍋。
とろみがついているからアチアチはほんとにシャレにならないアチアチだけれどごはん3杯はカタい。
そんな味なのです。

引用:ケンタロウ鍋(家の光協会)
「豆腐とひき肉のとろみ鍋」より

ごはん3杯はカタい

読んで、思わず笑ってしまいます。
たったワンフレーズ入るだけで、ただの解説文が一気にケンタロウさんワールドへ突入します。
そのフレーズは、もちろん「ごはん3杯はカタい」です。

「ごはん3杯はカタい」が入るか入らないかは大違いです。
「ごはん3杯はカタい」はなくても通用します。
ただ、面白味もありません。
「ごはん3杯はカタい」があることで、明らかにケンタロウさんカラーになっています。
「ザ・ケンタロウ」です。

もうそれは丼

主役は、豆腐とひき肉のとろみ鍋です。
そのための解説文です。
でも、ケンタロウさん目線ではごはんも主役です。
ケンタロウさんにとってごはんは外せません。
「ごはんが進むよね」ではなく、「3杯はカタい」です。
主役をごっそり奪い取ってやろうという勢いです。
とろみ鍋にしてみれば、「なんでそんなにグイグイくるの? メインは私よ」と思っています。

もう一度よく読むと、「ごはんにドロッとかけて」とあります。
それはもう丼です。
とろみ鍋と見せかけて、実は豆腐とひき肉のとろみ丼です。
おいしいので、それはそれでありです。
ケンタロウさん自身がやってみたいと言ってるので、間違いありません。

白めし5杯

ごはんが主役といえば、「ふたりのハッピーメニュー」(講談社)のエッセイ「白めし大好き」です。

男みんながそうかはわからないけれど、でもおれは白めしが大好きだ。
うまいおかずがあれば、白めし何杯でも食べられる。
いや、何杯でもは大きく出すぎだとしても、5杯ぐらいは軽く食べられる。
ほんとに。
そのぐらい好きだ。



 
下記ページでも閲覧できます。

定番ショウガ焼き定食|ケンタロウの恋するハッピーメニュー